伊東線:熱海ーー伊東 16.9K 2000年5月19日(金) 薄曇り

 昨年の11月熱海まで歩き、次はいよいよ丹那トンネル越えと相成ったが、山越えルートの選定に手間取り、グズグズしている内に半年が過ぎた。今日は伊東線を歩き、併せて東海道本線も二重戸籍区間になっている来宮駅まで、つまり丹那トンネル入口手前まで取敢えず歩き潰しを完了させようとやって来た。
7:44 熱海駅出発、線路は山腹を削った平地を行くが、駅脇は保養所を始め鉄道施設が占め道が無く、土産物屋が並ぶ大通りをいったん下る、この時間人通りは少ないが、それでも背広姿の宿泊客が数人駅に急ぎ、彼等を目当てに既に店を開けたところもある。
 休業中の静観荘前を過ぎまた坂を上る、ここは旅行会社に入社した頃添乗で来たことがある、シアターレストランが当って、一頃人気の観光ホテルだった、、、あれから35年、もう再起の可能性は無いだろう、定年が近い我が身に照らし感傷的な気分になる。 
  伊東線:来宮駅 8:04 来宮駅着、島式ホームは駅舎より5M高い、横を東海道本線が走り、沼津方に106KPあり、伊東線の0KPがある筈だが見えず、100M先に丹那トンネルが口を開ける。
 なお同駅は元熱海駅信号場跡で、伊東線の起点もここから始まる、またJR東海との境界は上り場内信号機のある106.3K地点とのこと。 
 駅を見下ろす円形の西熱海ホテルを目指し、有名な梅園入口に出て、頼朝ライン観光道路の急坂を上る。ちょっと行くと50M下に、左急カーブでトンネルに入る頼り無げな線路が見えた。
 さて伊東線を「山岳路線」と呼ぶ人は少ないと思うが、伊豆多賀駅までの出だしの部分ちょうど6Kは、熱海駅の海抜70Mに始まって高い所を進み、大小4本のトンネルも累計3Kと半分余り、それに25‰区間が1Kもあり、今回歩いて見て、その様に言えなくもないという感想を持った。
 いずれにしても線路沿いに平行道路は無く、海沿いの135号線、山腹を行く頼朝ライン、どちらも線路からかなり離れて進む。  
 簡保の宿を過ぎると「熱海百万石ホテル」前に出る、北陸の有名高級ホテルが最近進出したものだが、平日の今朝はヒッソリとしている。この辺り標高100Mほど、熱海温泉の中心街を見晴らし景色が良い。 
8:55 和田川沿いの集落に入り土橋バス停前に、小谷の一番奥には市のひばり丘団地があり、結構大きい。
 なお7〜800M海方で、線路が250Mほど谷の狭間に顔を出すのだが見えない、架動橋は来宮起点1.6K、またすぐ不動トンネル(1.7K〜1800M)に入るのは確認済み。
 頼朝ラインから熱海温泉を望む、左に小さくホテル百万石も
9:40 頼朝一杯水苑池公園前に出る、ここから道路はつづれ折れに下り出す、樹林越し眼下にこれから通る道が見えるが、近道は無い様だ。
 短い橋を介したループ線が終る辺りから大川という小川に沿って小谷を下る、細い田舎道に変りこの道でいいのか不安になるが、やがてポツポツ家が表われ、特養老人ホームの住所が上多賀とあって一安心。 


10:07 大渡所橋で大川を渡る、鉄橋が下流70M、3.5K地点に、トンネルを抜けたばかりの筈だが出口は見なかった、続いて架動橋で線路左手に移る。
 この後も大川の右岸を進むこと約1K、右手丘裾に時々線路が見えるが、駅手前まで25‰の下り勾配が続く筈だ。  

 伊東線:伊豆多賀駅  2012年4月2日
10:29 伊豆多賀駅着、山の急斜面に張付いた様な駅で、小広場も急な階段を7Mばかり下りた所にある、相対式ホーム、4.8KPあり、標高は52.6M、海岸まで直線で250M位。
 来宮駅から4.8Kに2時間25分も要した。
 
 「近道」と案内のある小道を下り、海岸を行く135号線に平行する旧道に入る、平地が徐々に開けてくる。
 線路は最初丘裾を、谷合は盛土で渡って海岸に下る、勾配はここも25‰が主体、小さな急流も横切り、宮川は5.8K、中川は6K辺りとなる。
 東海自動車の教習所先で135号線に入る。
 線路は駅手前に張出した丘にトンネルで入る、7KPのチョイ先で、抜ければ駅はすぐ。
11:23 135号線から旧道に入り、小丘を巻き網代駅に到着、島式ホームは駅舎よりやや小高い所に、7.4KPあり、海抜11Mまで一気に下った。
 駅前には網代温泉の歓迎アーチもあり、観光的な雰囲気が漂う。 

 さてこの先突然海崖が2K近く東に張出し、線路はホームの端すぐから伊東線最長の宇佐美トンネル(2919M)に入る、道路は135号線が主に海沿いに次の宇佐美駅までを結ぶ。
 伊東線:網代駅 
 駅前大通りからまた135号線に入ると干物屋さんが並ぶ、TVの旅番組などで知ってはいたが、こんなに多いとは、、、そしてこの先道路もトンネルが次から次へと現れる。
 最初の新網代トンネルは海岸を背にした住宅街を行く旧道を行き入らずに済んだ、次の網代トンネルは崖裾を行く旧道があるのだが、鎖が張られ通行止め、白ペンキで仕切った歩道を300Mほど、恐かった。
12:16 南熱海台バス停を過ぎる、ライフケアマンションが建つ小岬にあり景色が良い、ドライブ客目当てのレストランが10軒ほどあるが、今日は閑散としている。
 御石ケ沢隧道入口から伊東方を望む  12:25 伊東市に入る、例によって人家は殆ど無い寂しい所で、この先市の最終処分場が海側にあった。  
12:54 御石ケ沢隧道(536M)に入る、この辺り伊東方に約2K、山崖がそのまま海に落込み、とても歩ける場所ではない、ちょっと積丹半島を想わせる厳しい地形だ。
 抜ければまた100Mおいて新宇佐美隧道が口を開け、長さを見て意気消沈、711Mもある、歩道はあったが勿論人影は無く、クルマが驚いてちょっと横に避けたり、ライトを強めたりする、抜けるのに8分要した。



 抜けると宇佐美温泉の民宿が10軒ほど建つ、これを抜け急な下り坂で海岸レベルに達し、135号線と別れ、
13:28 鳥川を渡り住宅街に入る、程なく高架を行く線路が見えてくる、なお線路が鳥川を渡るのは500M上流の10.9K辺り、宇佐美トンネルを抜けて300M足らずの地点だ。
13:55 宇佐美駅着、伊東線標準型の木造モルタル平屋建駅舎に相対式ホームより成る、11.7KPあり、平地に少しゆとりが出て、駅前広場は他駅よりずっと広い。 
 住宅街をちょっと行きまた135号線に入る、左手はすぐ海、右手近く丘裾を平行する線路は5M高い、海岸の岩がどれも漂着した油で黒く汚れているのは残念。
 やがて一時TV広告で有名だった白塗りの大型観光ホテル前を過ぎる、100室はあるが、カーテンが開いているのが5室ほどしかないのが気になる。

  伊東線:宇佐美駅

 伊東線:伊東駅  2012年4月2日
14:40〜14:50 観光ホテル先のしおさい公園のベンチで一休み、膝、そして今日は腰まで痛い。長丁場とトンネルでビビった緊張感が原因かな、、、 
 伊東ガスの球形タンク2つが線路端に立つのを見て過ぎる、駅はもうすぐだが、この最後の500Mはきつかった。
15:15 伊東駅に到着、改札口直結の下りホームと上り島式ホーム、15.6K地点、海岸まで200Mほど。
 どうしたことかかなり疲れ、温泉にも寄らず5分後に出る上り電車で帰宅した。