常磐線:いわきーー浪江 59.2K
(13) いわきーー末続 18.2K 2005年10月1日(土) 快晴後薄曇り
2003年3月以来、いわき駅で止ったままの常磐線の歩き潰しにやって来た、その間活動をしなかっ
たわけではなく、東海道線歩き潰しが完了するなど、むしろ活動は活発だった。
いわき駅まで普通で来ると、北千住から約3時間40分、それに自宅からの1時間を加えると歩き始めるまで約5時間を要し、どうしても足が遠くなってしまう。
10:00 いわき駅南口を出発、今日は「鉄道の日記念きっぷ」の有効開始日だが、同時に赤い羽根共同募金運動の初日でもあり、地元の名士らしき紳士が駅前に立ち、募金を呼び掛けている。駅南口周辺の細長い土地が再開発計画でもあるのだろう、更地になっており、2年半前に訪問して幕の内弁当を購入した駅弁の住吉屋は姿を消していた。(2005年5月末日に立退きと共に廃業)
駅から1Kほど来た210.3K地点でマンションが行く手を遮る、線路は盛土3M上を行く、前に川があるようだ、橋を渡るため右手近くの旧国道に入り、
10:18 夏井川を渡る、鉄橋は長さ150M、210.4KPあり、40年前、磐越東線沿いの夏井川渓谷を訪ね、D60の写真を撮ったことを思い出す。
橋の先は低い丘となり、東日本国際大学が建つ、道路は切通し、左に近い線路は200M余のトンネルで丘を抜ける。
10:26 国道6号線に入る、低い峠を越しまた広い平野に出た。左手、山まで1Kくらいあり、その間は黄金色の田んぼが展開、まさに収穫の秋の光景を見る。
国道を歩いたのは1Kほどで、また旧道に入る、程なく中神谷(かべや)県営住宅団地を過ぎる、線路は左100Mを行く筈だが、よく見えない。
神谷は銀行の支店もあり、なかなか大きな集落で、サラリーマン住宅も点在する。
11:09 道なりに踏切で線路左手に、左手の住宅は新しいのが殆ど、500Mほど進んだ214.2K地点でまた右手に戻る、この先200Mに跨線橋があり、最初それを駅と勘違いしたが、駅はさらに300M先にあった。
11:23 草野駅着、海側の木造駅舎は、狭い駅前広場を隔て道路と接する。駅舎直結上りホームと島式ホームの、汽車旅時代の面影を残す。中央2番線は線路に錆が浮かぶが、早朝この駅始発の上り電車が1本あるのを発見!多分その時使用するのだと思う。214.8KPあり。
山側の広い留置線跡は今や廃墟に近い、セメント会社の工場が近くにあり、専用線が出ていた名残だ。貨車の屋根の高さに伸びた、作業用の踏板も残っていた。
駅舎側が集落、山側は500Mほど続く田を介し、低い丘陵となり、今日は穫入れの真っ最中だった。
11:33 草野駅を出発、線路右手近くの道を行き、草野郵便局脇でまた旧道に入る。
この辺りはいわき市北部の豊かな穀倉地帯で、線路と国道6号線はほぼ直線で次駅に至り、その間に挟まれた旧道は線路に添ったり、国道に寄ったり、殆ど切れ目のない集落を結んで北東を目指す。
12:16 仁井田川を旧道で渡る、海側120Mに6号線、左60Mに鉄橋、鉄橋いわき方に218KPあり。
12:37 6号線の駅入口バス停から250Mほど歩いて四ツ倉駅着、相対式ホームの地平駅、上りホームは改札口直結、下りホームいわき方出外れに219KPあり。
駅舎周囲は四ツ倉郵便局があるだけで寂しい、駅山側はやや小高く造成した今や草生した平地で、セメント会社の看板が草の間に見え隠れする。
12:48 出発、前方600Mほどに山が迫り、そろそろいわき駅から続いた平野が尽き、線路はトンネルで張出してきた山並みに突っ込み、海岸に残された細長い平地に抜け出る感じだ。
線路右手近くに道があり、しばらく行くと左手に海嶽寺が見える、219.45K地点。さらに進むと線路の右手は丘の崖となる、左手は住宅だが、バラバラに建って何となくすっきりしない。
この先四ツ倉高校のグランド横まで行って引返す、左築堤10M上を行く線路は220.4K地点、そして鞍掛山トンネル(540M)に入るのが220.8K辺りだ。
高架道路沿いの道で丘上に建つ高校を巻き、いわき署四ツ倉交番前に出て、旧街道の風情が色濃い、小さな岩山を切り通した小道に入る。
この辺り山が海まで張出し、狭い平地に人家が密集、家は狭く庭も無く、皆が譲り合って生活の場を確保している様子が見て取れ、これまで歩いた広い平地の集落とは明白な対比を見せる。
13:19 国道6号線に入る、右手はすぐ海で景色が良い、
13:25 「太平洋健康センター」という日帰り温泉があった、入浴しようと思って前まで行ったが、入浴料は2,000円、年金爺さんには不向きだ、残念だがそのまま過ぎる。
13:38 国道の波立(はたち)トンネルを抜けると、遠浅の景観の良い波立海岸が目の前に拡がり、観光ホテル、レストランも数軒並ぶ。
丘裾を行く線路は近い筈だが、この辺りでは見えない、帰路車内から222.3〜222.5K辺りと確認、なお線路はこの山の張出し区間を、前述の鞍掛トンネルなど2つのトンネル、切通しで抜けている。 やがて線路と6号線が寄添うようになり、223.6K地点で国道から線路近くの道に入り、
14:15 久ノ浜駅着、相対式、上りホームは改札口直結、223.9KPあり、駅の山側は、300M先の丘まで人家が密集して建ち、意外だった。この辺りから空が急に暗くなった。
同駅もホーム有効長は長く、223.5〜224.3K地点までを占め、往時の石炭輸送の盛況ぶりを彷彿とさせる。
14:21 出発、海側を旧道が行き、線路が最初の原見坂トンネルに入っている間に、左手に移り、やがて本道に合流、線路の方が海に近くなる。
次駅まで3.6K、その後半部分は、ほぼ等間隔
で山と谷が櫛の歯状に入れ替わり、線路も国道もトンネルと築堤でそれを乗り越える。常磐線のトンネルは5つあった。海が見える区間は少なかったと思う。
15:08 国道最後のトンネルを抜け、田んぼの先150Mの築堤上にホーム、さらにその向こうの大海原を見て、末続駅に到着。相対式ホームの無人駅で、227.5KPあり、海まで200Mほど。
簡素な木造駅舎は1947年の開設、地区の共有林を伐採して建設用木材を確保したとの案内文と当
時の写真の掲示があった。駅の周囲は寂しく、海岸の方には下りなかったが、集落も小さいようだ。
常磐線:末続(すえつぎ)駅
この駅の有効長も長く、館ノ山トンネル(87M)を出てすぐの227.2Kから始まって227.9Kまである。
ホームから太平洋の雄大なうねりを眺められる。
(14) 末続ーー竜田 13.3K 2005年10月12日(水) 晴
前回と同じスジで行くと、いわきで1時間の待ち時間が発生、末続到着は11時を過ぎ、現地滞在時間が少なく効率が悪い。しかし水戸からいわきまで特急を利用すると、いわき駅で1本早い普通に接続、末続到着は9時38分、前回いわき駅を出発した時より20分早く歩ける、2,770円の追加投資はこの際充分引合うと判断した。実は「鉄爺」と称しながら、自分は651型特急電車に乗車した経験が無いのです、、、
9:53 末続駅を出発、701系ワンマン電車を下車したのは他に中年女性が1名のみ、なおこの701
系電車、新幹線奥羽本線新庄乗入れ工事開始で転配になった車両だ。
ホーム下をくぐり海側に出て小集落の旧道を行く、商店が2軒あった、
10:02 道なりに末続陸前浜街道踏切を渡り左手に、228.15K地点で、前方100Mに末続トンネル
(352M)が口を開け、脇にレンガ巻の旧トンネルも並ぶ。この先緩い上り坂で小峠越えとなる。
10:15 広野町に入る、左すぐ上に並ぶ6号線に広野町の道路標識が見える、線路は右手350M、山裾を行くのがちょっと見える、この辺り旧道は本道と絡みながら進む。
10:28 さらに旧道を進み、夕筋踏切に出る、229.8K地点、太平洋の荒波が押し寄せる海岸が100
M先に迫り、風が強いせいか潮騒の音も大きい。
車中からだとせいぜい250Mほどだが、この辺りも大海原の眺望が良い区間だ、なお上り線ではトンネルを出てすぐの229KP地点で、50Mばかり海が見える。
この踏切辺りで集落の端に入る、まだ住宅も畑も小さが、前進するに従い山も低くなる。
10:48 右手100Mの東禅寺踏切に位置確認のため出てみた、231.25K地点、海は右手に近い筈
だが見えない、左手の山並みは1Kほど先に後退した、
しかし総じて平地に入ったのだが、線路前方に高さ50Mほどの丘が控え100Mほどの短いトンネル
が口を開ける。広野の名前通りの広い平地が展開するようになるのはこの丘陵を抜けてからだ。
11:09 広野駅到着、改札口直結の片面ホームと島式ホームより成る、仙台方に232.4KPが、駅の右手は田んぼが200Mほど、その先水平線が見えるが、海岸まで1K近くある
駅左手に集落が。左手の山は500M
ほど後退、空が開けた明るい平地の街だ。
11:17 出発、前方2Kくらいあろう
か、海寄りの丘上に大きな白煙突が2本目立ち、その方向に線路と道路が伸びる。東電広野火力発電所だ。
線路は駅を出て築堤で高度を稼ぎ、切通しで丘中に入る、丘の手前、北迫川鉄橋で233.3K地点だ。常磐線:広野駅
北迫川を渡り、線路から右に少し離れ低い丘上に上って行く、発電所が近付くと工事関係者用の民宿が数軒、他に新しく立派な職員寮もあった。
11:46 切通しを渡る跨線橋に出る、帰路車内より235.55Kと確認。
11:53 「ふるさと広野館」が広い芝生、幾つかの池、パークゴルフ場にレストラン棟とやけに豪華な「二ツ沼総合公園」の一部として建つ、左手は立派な両側歩道、植木の分離帯とこれもやけに
立派な6号線バイパスに接し、東電の補助金、その他多額の交付金が投入されているのだろう。
12:03 続いてこれも新しく豪華なサッカー場「Jヴィレッジ」に道なりにぶつかる、しばらく中を歩いてから、左手敷地沿いを行く旧道を進み、程なく6号線バイパスに入る。
12:13 道なりに楢葉町に入る。
12:22 道なり6号線左手に、丘を削って造成した「道の駅ならは」があり、立寄り温泉も併設、青い幟が何本も風にたなびく。
12:25 道の駅に到着、「交付金漬けのユートピア」の毒気にあてられたのか調子が狂った、こっちも今日は温泉三昧と行くぞ!
道の駅ならは:Jヴィレッジ湯遊ならは 12:25〜13:19在 ¥500
木戸駅に通ずる旧道より、右の部分が温泉 場所:道の駅の2階に併設され、木戸駅から旧道を20分足らずで歩ける。
券売機は無く、物産コーナーのレジも兼ねる1階のフロントで料金を払う。
浴室:2.5X4M位の源泉風呂、他に同じくらいのスペースを持つゴーゴーと音が大きく落着かないジェット式気泡風呂など、白湯の湯船があり、サウナ(入らず)と水風呂もあるが、露天風呂は無い、もっとも浴室から下の6号線の先に平凡だが田園風景を望み、必要性は無いかも、、、洗い場11。
お湯:薄茶色、かなり塩辛く、無臭、ツルツル感は無い塩化物泉で、合格点は出る。
お湯に小粒の土状の湯の花が浮き、「汚れではない」との断りもあったが、気になるほどではない。
13:19 温泉を出発、ちょうど前を行く国道6号線から右斜め駅方に旧道が分れている。
道の右手は広い田んぼが海方に展開、4〜500Mはある、その先に線路、さらにその向こうに海も
見える。
驚いたのはその黄金色の田んぼで、トラクターが2台並走しながら穫り入れをしている近代農業の象徴の様な光景、新品の車両は米国のように大型ではないが、それが進むにつれ、自分の常識をはるかに超える速さでたわわに実る稲田が更地に変っていく。専門のレンタル業者なのか、運転操作者も若い、「何かこの地域は違う、、」と強く感じた。
13:40 道なりに段々線路に近付き、木戸駅に到着、下りが改札口に直結する相対式ホームの駅で237.8KPあり。
なお同駅の平均乗車人員は200名程度らしいが、移動は各自が所有する自家用車で行われるということだろう。
13:47 出発、さらに線路左手近くの旧道を300Mほど、木戸陸前浜街道踏切で道なりに線路右手に。
道の両側に落着いた旧くからの住宅が並び、左手を行く線路とは500Mほど開いた、右手は300M先まで田んぼ、林も数か所、海は見えぬがそう遠くない筈だ。なお線路は238.5〜239KPの少し先まで林の中の浅い切通しを進む。
常磐線:木戸駅
14:09 木戸川を渡る、鮭の遡上があるらしく、鮭の絵が描かれた看板が橋の入口に立つ。鉄橋は左200M余、239.7K辺りとなる。
14:14 交差点に出る、左170Mほど先にガードが見え(240.2K)、そのまま旧道を行けば駅まで1Kない、また案内もあり、川沿いに下ると天神岬に至るとある。
さて今日は富岡駅まで歩き、16:34発を捕まえて帰る予定だった、竜田から富岡まで営業キロで6.9Kだから残りは約8K、どうにかやれそうだ。しかしここまで豪華な公共施設のオンパレードを見ながら歩いてきて考えが変った、この地域一帯は「何か違う」のだ、、、
実はこの小さな楢葉町は天神岬にも温泉施設を有しており、、一体どんな施設だろう?と興味をそそられる。自分は同じ日に2回温泉を訪ねることは、雨で歩行が困難になった場合を除き、原則としてしないことにしているが今回は特別だ、前述の通り、温泉三昧に徹してみようと思う。
そういう訳で、木戸川に沿って田んぼを見ながら進む、道は段々と海岸段丘に近付き、道なりに台地の中に分け入っていく。
14:33 天神岬に到着、台地の先端に位置し、この先20Mほどで海に落込む崖となる、眼前に太平洋の大海原、右手下には今過ぎたばかりの広大な田園地帯、その先木戸方の台地上には例の火力発電所の2本煙突、それに海岸寄りにもう1本の大煙突が逆光にもやう。周囲は公園として整備され、その一画にサイクリングターミナル施設と日帰り温泉が控える、人影は殆ど無い。
想像以上の素晴らしい景観で、もっと居たかったが、時間の関係もあり、温泉に向かう。
ならは天神岬温泉: しおかぜ荘 14:47〜15:26在 ¥500
施設の反対側に大海原が展開 場所:竜田駅からほぼ1本道を天神岬まで約2K,30分で歩ける。
温泉施設はサイクラー対象の宿泊施設と並び、「道の駅」に比してやや小規模、浴槽は1つ、あとサウナがある、水風呂は無く、洗い場は9つ。
ここの売りは太平洋に面した露天風呂からの眺望、これは立派、他に展望食堂、大広間などあったが、さらりと見ただけ。
お湯は赤茶色で50C下がボンヤリ、無味、無臭、ヌルヌル感が強く、垢がボロボロ出る、5Kと離れない同一経営の「道の駅」のお湯とは明らかに異なる、ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉、33.4℃を加温、湧出量は413.8L分と多い。水準以上のお湯で、訪問して良かったと思う。
15:26 温泉を出発、台地上の畑中を駅の方に行く道がある、所々旧い小道も残るが、最近改修されたいい道で、沿道に建つ住宅も水準以上の立派なお家が多い。
駅に近付いてから木戸駅方にちょっと戻り、そこから跨線橋(240.7K)を渡って、山側の線路沿いの道に入り、
15:50 竜田駅に到着、木造平屋建駅舎が山側に建つ、下り改札口直結の相対式ホームだが、ホーム構成はいわゆる千鳥形式で、上下ホームが互い違いに向き合っており、下りホーム仙台方出外れに立つ241KP地点は、まだ上りホーム内に収まる。駅前には酒屋など数軒の商店があった。駅の海側は低い山原で製材所が操業中、草生した引込線が残っている。
帰りの電車は竜田16:40発、いわき、水戸で乗換え、日暮里到着は21:03、お疲れ様でした、、、
(15) 竜田ーー夜ノ森 12.1K 2006年3月11日(土) 晴
今日もまた5時間かけて常磐線は竜田駅にやって来た、青春きっぷの1回分が2,300円、水戸からいわきまで乗った特急が2,770円、何かすっきりしない。特急は確かに速いが、満員に近いと結構窮屈だ、すいている701系の方が足も伸ばせるし、海側、山側と勝手に席の移動もでき、自分には数段居心地が良い。E651系って、たしか「動く重役室」なんて言ってたけど、本当にそうかな?
常磐線:竜田駅9:58 竜田駅を出発、250Mほど行った井出陸前街道踏切で海側に移る、この先線路は左カーブ、低い丘陵に入っていく。
やがて井出川を渡る、線路は左170M、鉄橋に241.5KPが見える。
10:17 波倉入口バス停(ナラハ町民バス)、小サミットが50M先にあった。里山の雰囲気があり、辺りは椿が満開、太平洋に面するからか、樹木は常緑樹が多く、伊豆半島を想わせる。
線路はこの丘陵を金山トンネルで抜けるが、1807Mは常磐線最長となるそうだ。帰路車内から242.3〜244.3K辺りと確認。
10:40 富岡町に入る、寂しい所で、町境らしくゴミ焼却場が丘上に近い。
この先また丘を下り楢葉町域に戻る、ここも草深い所だ。なお原子力発電所は集落から離れた当地区の海側に立地する。
10:58 下経交差点、独立系コンビニが1軒、菓子を購入、海岸の方に進めば、原発に通ずる。
道なりに進みまた富岡町に入ると、左400Mほど先に線路が見え出し、段々近くなる。
11:06 太田陸前街道踏切で線路左手に、245.42K地点、もう完全に里に下りてきた。
しばらく線路脇を流れる小川沿いの草道を行くが、やがて6号線に合流、原子力発電所の長方形煙突の先端のみが、先刻抜けた丘陵上に突出ているのが見える。
11:25 左丘上にJAふたばの茶色の小ビルが見える辺りで、右に線路方向の道に入り、程なく
246.2K地点で踏切を渡る、先刻ちょっと歩いた小川沿いの道があった。
海岸に近付くと海水浴客相手の旅館が数軒並ぶ、今日は波が高いようだ、駅前250Mでまた左手に。
なお常磐線開設当時、火災を恐れ街の中心部より2Kほど離れた所に駅を設けたため、地図を見ると、浜街道から離れ、市街地の外縁を大きく迂回するコの字形というか、台形を立てた様な線形が確認できる。
11:53 富岡駅に到着、木造平屋駅舎が山側に、改札口直結の下りホームと島式ホームの駅、247.8KPあり、海側は田んぼが150Mほどあって集落に続き、その先は海岸が控える。
駅前に3階建て旅館、中華料理店などあり、昼食時で制服姿の工事関係社員がクルマでやって来た。静かだが落着き、ゆとりの雰囲気が感じられる街だ。
12:00 お昼のチャイムが鳴ったところで出発、仏浜街道踏切で右手に移る、ここで駅場内は終り、単線線路が築堤で富岡川を渡り、丘中に入っていくのが見える。鉄橋袂に248.5KP立つ。
常磐線:富岡駅(海抜8.3M)
線路右手は田んぼが海まで300Mほど、左手は開け、2〜3K先に高い山並みが見える、海から来た薄霧が掛って春霞のように見える。
道が徐々に丘中に入り住宅も姿を消す、これでいいのかな?と案じながら一段高い丘に近付き、12:25 「グリーンフィールド富岡」に到着、総合体育館、町民合宿所、キャンプ場、人工芝のサッカー場(?)などを擁する立派な施設で、その先雇用促進事業団の立派な5階建て集合住宅は、カーテンの付いていない部屋が多いが、入居者はいるのかな?
丘を下り国道6号線を跨ぐと広い畑地が現れる、線路は左(南)500M辺り、役場の下を北西に進んでいる筈なので、左に方向修正。
12:48 新しく豪華な富岡町文化交流センター前に出る、同一敷地に町役場も見える。先刻の総合体育施設もそうだが、この町も交付金で潤っている、原発と引換えだから文句は言えないが、これでもか、これでもかと同じ箱物で迫られちょっと食傷気味だ。
12:54 さらに道なりに下り、線路下をくぐる、249.8K地点。この辺り線路は進行右手やや上に役場の広い敷地を見ながら進む。
13:14 Y字路を右手に入り、三春架動橋(250.5K)をくぐる、この先台地上に出る。
しばらく行くと小学校があり、3階建て校舎が2棟、グランドも広い。
13:30 三春街道跨線橋(渡らず、251.7K地点)からは、左切通しを行く線路沿いに小道がある、台地を掘った切通しは、この地点では6Mと深い。
13:49 夜ノ森駅に到着、駅の手前250Mは工事中の遊歩道を来た、掘割下約3Mにある島式ホームへは地平木造駅舎から跨線橋で連絡する、253KPあり、駅員1名配置。
ホーム切通しの両斜面にツツジが植えられ、その数6,000本もあり、5月の満開時には見物客が絶えないとのこと、また駅周辺の道路は広く、桜並木も成長、東京近郊高級住宅地の雰囲気を有する。
駅前に立つと、下り方向の住宅街越しに、ドーム型の屋根が見えるが、これが町営の日帰り温泉、今日はここで汗を流し、1本早い電車で帰宅することにする。
リフレ富岡「さくらの湯」 14:10〜14:50在 ¥500
リフレ冨岡「さくらの湯」、立派な建物で入っていいのか戸惑う、、、 場所:駅から下り線方向に徒歩5分
施設:ガラス多用の近代的ビルの2階にあり、1階は25M室内プール、入場料はプールの方が高い。2階には大広間、食堂施設などもある。
浴室:5X7Mほどの主浴槽、気泡風呂、サウナ、その入口に2人収容の水風呂、露天風呂は無い。洗い場は13、温泉としては簡素だ。
お湯:薄茶色、塩辛く、無臭の塩化物泉、PH8.3、42.8℃、湧出量は193L/分、マーマーのお湯だ、何よりもこれだけの施設の温泉に部外者でも500円で入れるのだから、良しとしなくては、、、
隣に立派な宿泊棟もあった。
(16) 夜ノ森ーー浪江 15.6K 2006年3月25日(土) 快晴
この週末は時間が取れたのに「ムーンライトながら」は満員、天気も良さそうでどこかに行かなくちゃと,やって来たのが夜ノ森だった。前回と同じスジだが、今日の701系2連は満員、自分も含め立客も多い。保育園児のかわいい姉弟が、ワンマン案内放送が「運賃は運賃箱にお入れ下さい」と繰り返すたびに、無邪気に反応して大喜び、美形の若いお母さんが困っていた。しかしこの放送、彼等の解釈するようにも聞こえるよ、、、
10:05 夜ノ森駅を出発、2週間前に入った日帰り温泉施設の先で左に移り、切通しを行く線路を右下に見て進み、やがて小谷に下る。この辺りに特有の、多少の違いはあるが、海方向に流れる小川の造った浅い谷だ。この小川の先が隣の大熊町との境界で、小鉄橋の先の切通し入口に254KP
が立つ。
さてこの先も線路沿いに小道があることを地図で確認していたのだが、点在する農家を巡る小道はあるが、丘中の植林地に入っていく道がどうしても見付からず、結局東方1.5Kも離れた国道6号線経由迂回する大決断(?)をした。合計3Kの遠回りとなり、今日の歩き潰しはのっけから意気消沈だ!もっとも天気はやけに良く、人は勿論、車もたまに通るだけ、ハイキング気分は十分過ぎるくらいあったけど、、、
10:38 6号線に近付き、ちょっと間を置いて平行する旧道に入る、この辺り南北方向に狭間が伸び、両の丘裾沿いを6号線と旧道が行く。実は見過ごしていたが、先の254K手前の小川はこの狭間を流れ下り、この先で熊川に合流するのだった。
10:56 西内GSの角で6号線に合流、少し行った交差点で線路を目指して左折する。
これで丘陵地帯を抜け一段大きな熊川の刻んだ谷に入り、広い田んぼも展開する。
11:20 熊川橋梁袂に到着、橋は50Mと短い、255.4K地点、
1時間で1.4Kしか進んでいない、さて今日はどこまで行けますやら、、、
人の渡る橋は300M上流にあった。そしてその先線路方向に進む細道も伸びるが、行止りになると既に相当時間を喰っているのでダメッジが大きく、大事を取って線路右手の広い道に移り、線路方向に進む道を見付け、台地上に出る。周囲は畑と農家と杉林、それに梨栽培の果樹園も目に付く。
11:46 双葉病院を道の左手に見る、2つの病棟の他にも建物がある大きな総合病院で目印になる。この辺りから一般住宅が多くなる。
11:58 歩行者・自転車専用跨線橋で切通し線路の左手に移る、257.4K地点、渡った先にJAの立派な建物と広い庭、大熊町公民館がある。
駅の手前ではなかなか落着いた、年代を感じさせる商店街が意外と長く続いた。
常磐線:大野駅 ホームは浅い掘割の下にある。 12:09 大野駅西口に到着、駅舎は新しい橋上駅、島式ホームが浅い掘割の中にある、以前は下り片面ホームがあったようで、その残骸が残っていた。ホームはカーブの途中にあり、原ノ町方の右カーブはきつい、258KPあり。
帰路車中から見ると、線路は大野駅より町境近くの254.5K辺りまで見事な直線を描き、緩い起伏のある台地は切通しで、大熊川周辺の田園地帯は築堤で繋ぎ、最大10‰の勾配調整をしている。また同駅の標高60.6Mは、常磐線内で最も高いそうだ。
12:21 大野駅を出発、進行左手をちょっと行き右手の県道に入る。
12:36 右手の丘に町営野球場がある、周辺は総合運動場として整備されており、ここの施設も小さな町が持つようなモデストなものではない。この丘陵に続く海側、双葉町に跨る広大な地区
一帯を福島第一原子力発電所が占めるのだが、ここからは何かその雰囲気は感じるものの、姿は見えない。
線路は左手の丘裾を下り、この辺りで400Mくらい離れる、その間の一段低い谷間に田んぼと畑が続く。
12:44 大熊町大沢信号で国道6号線に入る、その先左手から一時丘が張り出し、線路は259.6K辺りから100Mくらいのトンネルに入る。あと線路と6号線は近付くが、切り通しなどもあり、電柱の上部が見える程度だ。
6号線を進むと、この先線路との間に丘陵が挟まり、両者はしばしの別れとなるので、
13:18 長者ガ原架動橋で線路左手に移る、台地の裾、やや小高い所を行く線路沿いに6M道がある。いつの間にか双葉町に入っていた。
進むに従い平地が広くなり、左手は400Mほど田んぼが展開、その先は低い丘陵が連なる。
13:32 前田川を渡る、鉄橋は150M下流、261.1K地点、この鉄橋の端をくぐり、線路右手の住宅街の道をもう2K行く、双葉町はなかなか大きな市街地を持つ。
13:53 双葉駅に到着町の商工会などが入った比較的大きな合築駅、駅員が1名、改札口直結の上りホームと、元島式ホームの片側のみを使う下りホームから成る。
263.6KPあり。
14:04 出発、線路右手すぐの道から6号線旧道に入り、
14:18 双葉陸前浜街道踏切で左手に、264.5KPが立ち、この先線路は仙台方に1Kほど真っ直ぐ。
今日は4時間かけてまだ営業キロで10.7Kしか歩いていない、浪江駅まで4.9K、もう少々頑張りたい、、
14:29 中田川を渡る、鉄橋(265.2Kと帰路確認)は右350Mと離れた、広い田んぼが展開、いわきの先から続いた、海岸まで張り出した丘陵性の高台はずっと奥まで後退した。
この先線路と旧浜街道は500Mほど離れるが、田園地帯の真っ只中で見通しがいいから、線路右手を行く6号線バイパスまで良く見える。
14:43 急に人家が姿を消し、寂しい丘中を上りにかかり、小サミットに達する。付近に広域市町村協同組合が設けた斎場と焼場があり、先程来、やけに霊柩車とマイクロバスの車列が追越していった理由が判明した。
14:53 また里に下り、常磐交通の車庫と整備場前を過ぎる、バスは20台ほど、近くの高瀬踏切は267.4K地点、浪江駅14:52発の上りが過ぎた、実はこの列車に乗る積りだったんだが、、、
ちょっと行って高瀬川を渡る、鉄橋は140M長、267.7K地点、川が大きくなり、平地が広がったことを実感する。
15:13 牛渡陸前浜街道を渡り線路右手の市街地に入る、268KPが近い。
15:25 浪江駅に到着、改札口直結上り片面、下り島式ホーム、駅員1名、268.6KPあり。駅山側は太平洋セメントの小振りの工場、大型トラックの車両基地などが占める。
なおものの本によると、「浪江」の地名は江戸末期、大火が相次ぎ、水に関係ある地名に改められたのだそうだ。
浪江16:15発に乗車、いわき、水戸で普通に乗り継ぎ、日暮里到着は21:11だった、鈍いといえば鈍いが、自分が自由に鉄道旅行ができた学生時代の昭和38年、浪江16:38発の普通からいわきで気動車準急に乗換えても、上野到着(日暮里は通過)は21:39でした。