久 留 里 線
久留里線の歩き潰しは2001年の2月と3月、2回に分けて実施した。 内房線の木更津を起点に、小櫃川に沿って小平野を遡り、行程の半ばを 過ぎた辺りで のどかな城下町:久留里に到着。ここから谷幅が狭まり、上り勾配とカーブが連続し、標高100M程とはいえ、渓谷風景を楽しみながら、また小さな里に下って終点:上総亀山に至る。 全長32.2K、JR千葉支社管内唯一の非電化路線だ。
木更津―久留里 22.6K 2001年2月17日(日) 快晴
8:54 木更津駅を出発、線路沿いに住宅街の道を千葉方に400M行き、線路を跨ぐ県道に上る、ここまでは内房線と完全平行で、0.5KP(キロポスト 以下KPと省略)は同線の車内からよく見える。
この先は東に方向転換した線路近くの小道を、踏切を介し絡むように進む、周囲は住宅街だが、この地方に多い蓮田も時々現れる。
久留里線:祇園駅9:39 国道16号をくぐり、木更津3中前を過ぎ、片面ホームの小駅:祇園駅に到着。
線路進行左手に沿う国道409号を行くと、やがて左手から小櫃川が近付く、4.15K辺り、この先、線路はこの川と付かず離れず進むことになる。
10:05 上総清川駅着、ここも片面ホームの無人駅、地元の人しか利用しないのだろう、案内など無く、少し行過ぎて戻った。
上総清川駅
東清川駅10:30 東清川駅着、片面ホームの右手に田んぼ少々、100Mで丘、なお、途中4.6K辺りでアクアライン連絡道をくぐったが、その辺りから線路右手に丘陵が近くな った。
10:55 館山自動車道の下をくぐると(線路は7.7K)、道なりに踏切で線路右手に移る。
11:04 小櫃川を渡り右岸に、鉄橋は50M左を行き、8.1K辺りとなる、横田集落に入ると、住宅は古いが、立派な構えの造りが多い。
11:35 横田駅着、相対式ホームの交換駅で、平屋駅舎もある。タブレットを持った運転担当助役がいた、9.3KPあり、街道から駅に入る道が分らなかったため、駅到着が遅れた。
12:08 駅前小公園で木更津駅浜屋製の駅弁で昼食後出発、広い田んぼの中に線路が伸び、農道が近くに沿うのでそれを行った。
横田駅
東横田駅12:30 東横田駅着、片面ホームの無人駅、駅舎は車掌用の旧貨車を使用。
この先また街道に戻る、ダンプが多いのに歩道が殆ど無く、道端に縮こまること数度。
13:09 駅手前13.6Kで踏切を渡り、周囲より小高い所に位置する馬来田 駅に到着、一見相対式ホームのようだが、一方の線路は捲られて無い。
この先線路は掘割で台地を下り、小櫃川の支流を渡る。
線路東側に平行する街道が伸びる。
13:32 片面ホームの下郡駅が丘裾の集落の陰に隠れるように佇む、丘陵の緩斜面を利用してゴルフ場があるのだが、駅からは見えず、駅右手は500M先の丘までずっと広い田園地帯。
駅の右手50Mに両側に歩道を擁するやけに立派なバイパス道路が工事中、さらに農道もあり、この農道、線路近くを2Kも続き、天気は最高だし、快適なハイキングを楽しめた。
下郡駅
小櫃駅14:22 小櫃駅着、片面ホームの無人駅は下郡と同じだが、こちらには小駅舎と駅前広場あり、駅右手に広い田んぼが展開するのも前駅と同じ。
小櫃を出ると農道がぱったり姿を消し、またダンプカーの多い街道に戻る。
15:05 俵田駅着、駅手前に20KP、街道と集落が駅右手に並び、駅の左手は主に畑、200Mで丘陵となる。
もう20K歩いたし、左膝も痛み出したので、ここで切上げたかったが、木更津行は次駅まで歩いても同じ列車になり、もう一駅 頑張ることにする。
俵田駅
キハ371002+キハ3095 俵田ー久留里線路左に近い小道を行き、畔道から小用水を飛越え、20.85Kの踏切から街道に戻る。
しかし街道を歩いたのは僅かですぐ広い田んぼの中に出て、22K辺りからは丘斜面に線路沿いに建 つ高校の敷地を巻き、民家の犬に吠えられながら街道に戻る.。駅の北、木更津側を低い丘が塞ぎ、街道も線路もこの丘を突っ切って久留里の街に入る。
15:52 久留里駅に到着、木造平屋駅舎と駅前広場があり、落着いた雰囲気があるが、周囲は静まり返っている、22.5KPが立つ。運転助役が1名、記念オレンジカードを求めたら、タブレットを扱う慣れた手付きが一転、ぎこちない動作で小金庫を開けた。
久留里線の乗り潰しは1965年の2月、その時はキハ3570で全線を往復しただけなので、久留里駅に来たのは今日が初めて。しかし疲れが出て駅前をブラブラするに留め、16時20分発木更津行に乗車、乗換はスムーズで帰宅は19時20分だった。
久留里ー上総亀山 9.6K 2001年3月20日(火)春分の日 快晴
お彼岸の中日、再度久留里にやって来た、前回2月の訪問にはホリデーパスを使用、帰りの
久留里から木更津間は追加支払いとなったが、今回は青春きっぷを使用、運賃は少々安くなった。
久留里線:久留里駅10:02 久留里駅を出発、20人ほどの下車客は迎えのクルマなどであっという間に去り駅前に人影はない。
ちょっと街道を行くと立派な造作の醸造蔵元や、県下でここだけという「平成の名水100選」に選ばれた(掘り抜き)井戸水を飲ますお店が数軒あった。
さてこの先、線路と久留里街道はしばらく別行動を取る。大きく蛇行する小櫃川に押されるかの様に、市街地からお城の下を行く街道に対し、線路はヘアピンカーブの小櫃川を2つの鉄橋で貫き、市街地よりやや低い田園地帯を南に進む。しかも川の蛇行部分が埋立てられ田んぼとなり、鉄橋が渡るのは僅かに取り残され沼と化した旧河川部分だ。
線路近くを行く道はしばらく部分的にしか無いようで、それならと久留里街道を歩き、久留里城址に寄ってみることする。
10:30〜11:10 城址資料館を見学後、
天守閣に上り久留里市街、市街地外縁を行く久留里線の眺望を楽しむ。
駅の標高が40M、お城のそれは140Mだから、ちょうど100M上ったことになる。
久留里の小盆地は周囲の山々が低く、盆地の持つ閉塞感は皆無で、むしろのどかな解放感が漂う。
天守閣より久留里の街を望む
丘上にお城がちょっと見えるんだけど、、、11:31 久留里街道に戻る、なお車窓から城の天守閣が良く見えるのは23.5KP辺りだった。
11:37 盆地南端の丘を切取った切通しを抜ける、長さ200M、最も深い地点で30M程。
道なりにしばらく行って小櫃川の支流を渡るが、右手に近くなった筈の線路はまだ見えてこない。
11:58 平山駅着、結局、駅手前まで線路を見なかった、片面ホームの右手はヒバリが囀る田んぼが展開、山まで4〜500Mくらい。小櫃川が筈だが見えない。駅左手は100Mで丘、その裾を街道が行く。
駅出てすぐの25.8K辺りで30‰の下り勾配となり、線路は180度カーブで行く手を遮る小櫃川を再度2つの鉄橋でショートカットするが、川沿いを行く久留里街道は前進が遅い。
小櫃川は街道右下35Mを流れ、川幅は一時7Mと狭くなり、清流を湛える。なお26.6K地点に位置する2番目の鉄橋を過ぎると、線路が右手に近くなり、やがて両者は寄り添う。
平山駅
12:49 上総松丘駅着、片面ホームの無人駅、28.3KPあり、周囲を丘に囲まれたごく小さな集落があり、進行左手すぐを久留里街道が集落沿いに進み、右手にもやや大きな集落があって丘が展開、小櫃川はその丘の向こうを流れるらしく、見えない。
誰もいない駅のベンチで弁当を拡げる、天気最高、おとぎ話の国にいるような感じがする。
13:03 出発、線路も街道もすぐ上り勾配で丘中に入り、さらに山間の風情が濃くなる。
久留里線:上総松丘駅
丘腹の上の方を行く街道は程なくトンネルに入るが、線路はしばらく持ちこたえて29.1K辺りで100M長のトンネルに、ここが最初の小峠で、抜けると少し下り、小櫃川がまた顔を出してすぐ消える、それにしてもこの川の蛇行ぶりや並大抵のものでない。
13:40 柳城橋(90M長)を渡る、支流が30M下を流れる、右手80Mを2番目のトンネルを出たばかりの線路が見え、帰路30.2K地点と確認、この辺りの渓谷風景が久留里線のハイライトの一つだと思った。なお、線路は先刻その上を跨いだから左手を行く筈なのに、トンネルを介してまた位置が元の右手に戻っていた。
里に出て、集落の端に入った31.5K辺りから街道を外れ、線路近くの細道に入り駅に。
上総亀山駅13:58 久留里線の終点上総亀山駅に到着、小じんまりした木造平屋駅舎と片面ホームの駅だが、ホーム前後に広い留置線を有し、時刻表を見れば一目瞭然だが、この小駅に夜間は3本の列車が滞泊して、配置全13両の内11両がいるなんて、面白い運用ではないか!
木更津行は2時間余り無く、この間に駅からそう遠くない亀山ダム湖畔にある亀山温泉を訪問することにした。
上総亀山発15:59発のキハ3062に乗車、このダイヤは先月久留里駅から乗車の筋と同一だ、
なおキハ3062は1966年、勝浦機関区に配属以来、木原線と久留里線しか知らない「土地っ子」として現在に至っている稀有な存在です。
![]() キハ371003+キハ3062 上総亀山駅 |
![]() |
亀山温泉ホテル 14:15〜15:30在 ¥1,000
亀山温泉ホテル
場所:駅留置線先の踏切を渡ってすぐの久留里街道バイパスを横断、傍らに案内看板あり、ダム湖まで7〜8分、湖岸に一際目立つホテルまで15分余りで歩ける。
ホテル:浴室は1階、脱衣場にロッカー無し、ダム湖を窓越し眼下に見る浴室は広々、浴槽も20人は入れる、他に露天風呂、ジャクジー、サウナ等無し、一頃の観光ホテルが有した静かな雰囲気を保つ。
お湯:黒湯、無味、無匂、ヌメリ感があり、しっとりした良い感じのお湯だ、ナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉、29.4℃、湧出量は600/分と多い。
その他:ホテル内装はややくたびれた感あり、ダム湖は渇水期で茶色の地肌が露出、景観はそれほどではない。案内書には¥1,500とあった。